恋愛とは、結婚とは、愛とは
愛は歳を取らない。限界もない。そして、死ぬことがない。 ジョン・ゴールズワージー 独り身の自由は、やがてうんざりするような重荷に変わる。 フローレンス・L・バークリー 愛なき結婚は恥というものだ。 ジョージ・メレディス 愛の反対は憎しみではなく、無関心です。 マザー・テレサ 男の人って女よりずっと善い人たちだから、当面の問題は、妻が機嫌が良ければ何も問題がない。 佐野洋子 美は人を沈黙させる。 小林秀雄 我々を恋愛から救ふものは理性よりは寧ろ多忙である。 芥川龍之介 愛とは互いを見つめ合うことではない。ともに同じ方向を見つめることだ。 サン=テグジュペリ 愛とは他から奪ふことではなくて、自己を他に与へることである。 阿部次郎 愛はそれが自己犠牲であるときのほかは、愛の名に値しない。 ロマン・ロラン 女は、服従したかのように見せかけるほどに、主権を握れるのだということをよくわきまえている。 アルフレッド・ド・ミュッセ その女がもし男であったなら、友人に選んだであろうような女でないのならば、それを妻として選んではいけない。 ピート・ジュベール
愛人の欠点を長所と見ない人には、真の愛はない。 ゲーテ 女というものは本来、愛されるべき存在ではあるが、理解されるべき存在ではない。 オスカー・ワイルド 心が激している時には人は誤って愛する。本当に愛するには落ち着いて愛さなければならない。 ジュベール 女には子供を生むことだけが人生の目的だと思っている人もいるが、実際には子供を生む以外に能のない女は、子供を育ててもろくな子供を育てられない。 大庭みな子 愛することは、いのちがけだよ。甘いとは思わない。 太宰治 愛想のいい女性はすべての人に愛想よくすればいつもそれで十分ということになるのだが、男を惹きつけようとする女は、そういう一様なまずいやりかたをすれば、すぐに支配力を失ってしまうに違いないのだ。すべての恋人に親切にしようとしていたら、すべての恋人を失望させてしまうだろう。 ルソー 愛することは、ほとんど信じることである。 ヴィクトル・ユーゴー
愛とは他人の運命を自己の興味とすることである。他人の運命を傷つけることを畏れる心である。 倉田百三(ひゃくぞう) 愛するということは、自分の愛する相手の生を生きることである。 トルストイ 愛するとは自分を追い越すことだ。 オスカー・ワイルド 愛と憎しみとは、相反馳(はんぱく)する心的作用の両極を意味するものではない。憎しみとは人間の愛の変じた一つの形式である。愛の反対は憎しみではない。愛の反対は愛しないことだ。 有島武郎 愛というものは、愛されることによりも、むしろ愛することに存すると考えられる。 アリストテレス 結婚は多くの苦痛を持つが、独身生活は喜びを持たない。 サミュエル・ジョンソン 愛に住すれば人生に意義あり。愛を離るれば、人生は無意義なり。 二葉亭四迷 愛とは何か、とお前はたずねる。たちこめる霧に包まれた一つの星だ。 ハインリヒ・ハイネ
愛の悲劇というものはない。愛がないことのなかにのみ悲劇がある。 モーリス・テスカ 愛せるうちに愛しなさい。 A・フリーリグラス 愛には苦痛に満ちた反応はない。 ヴィヴェーカーナンダ 愛は、その愛するものを独占しようと願つてゐる。しかしながら、愛はそれに成功してしまつた後では、競争もなく、嫉妬もなく、退屈で褪(さ)め易いものにかはつてくる。 萩原朔太郎 恋愛というものは常に一時の幻影で、必ず亡び、さめるものだ、ということを知っている大人の心は不幸だ。 坂口安吾 愛の記憶は永遠に消えるものではない。 ナポレオン・ヒル 愛の表現は惜しみなく与へるだらう。しかし愛の本体は惜しみなく奪ふものだ。 有島武郎 愛は、この世に存在する。きっと、在る。見つからぬのは、愛の表現である。その作法である。 太宰治 愛は、女たちの憎む真実を愛す。 エセックス あなたはいつか私にこう仰ったでしょう、―――私たちのいまの生活、ずっとあとになって思い出したらどんなに美しいだろうって・・・・・・。 堀辰雄 愛を知る人というのは、取ることと与えることとが一つであるような人間、取ることによって与え、与えることによって取るような人間なのであろう。 ゲオルク・ジンメル
あすこにある玉子焼きは何と言っても、恋愛などよりも衛生的だからね。 芥川龍之介 愛は、憎しみで始まった場合の方が、より大きくなる。 スピノザ 名にし負はば逢坂山(おうさかやま)のさねかずら人に知られでくるよしもがな 三条右大臣 あなたの帽子のかぶり方 お茶の飲み方 輝くような微笑み方 調子はずれの歌い方 恋のデコボコ道で私達は再び逢わないかもしれない でも、この思い出は誰も私から奪えない。 アイラ・ガーシュウィン 夫を持ったり、子どもを持ったりするたびに、人間の心の眼は開けてゆくものだよ。 川端康成 男の恋を女の恋と同じだと思ってはなりません。 コデルロス・ド・ラクロ 逢ひ見ての後の心にくらぶれば 昔は物を思はざりけり 権中納言敦忠(あつただ) 女のもとへ赴(おもむ)こうとするならば鞭を忘れるな。 ニーチェ
あの人が私を愛してから、自分が自分にとってどれほど価値のあるものになったことだろう。 ゲーテ 女の推量は、男の確信よりもずっと確かである。 ラドヤード・キップリング 美しさという点では、愛の美しさほど儚(はかな)いものはない。ほんの一瞬のものでしかない。 まばたきする間くらいのものよ。でもその傷は永久に後に残るの。 死の到来と共に傷は消えるかもしれないけれど、臨終の時までずっと痛みは続くわ。 シャーロット・ブロンテ 男はしばしば一人になりたいと思う、女も一人になりたいと思う、そして、その二人が愛し合っているときは、そういう思いを互いに嫉妬するものだ。 アーネスト・ヘミングウェイ 男と女が互ひに相手を箒(ほうき)とし、味噌漉(こ)しとし、乳母車とし、貯金箱とし、ミシン機械とし、日用の勝手道具と考へる時、もはや必要から別れがたく、夫婦の実の愛情が生ずるのである。 萩原朔太郎 女の品行というものは、男が思っている以上に乱れているが、同時にまた、男が思っている以上に清潔だ。 織田作之助
女の涙に騙されるな。 ドストエフスキー 男は妻や愛人が嫌いになると、逃げようとする。だが、女は憎い男には仕返ししようと、手元に抑えておきたがる。 シモーヌ・ド・ボーヴォワール 男が求愛に成功したいなら、まず言葉より行動だ。 ロイヤル・タイラー 男は自分の知っているたったひとりの女、つまり自分の妻をとおして、女の世界全体をいい加減に判断している。 パール・バック 結婚した方がよいでしょうか、それとも、しないほうがいいでしょうかと尋ねられたとき、「どちらにしても君は後悔するだろう」と彼(ソクラテス)は答えた。 ディオゲネス・ラエルティオス 女にとって束縛は免(まぬが)れえない運命で、女がこの束縛から離れようとすれば、いっそうはげしい苦しみに出会う。 ルソー 結婚ー共同生活体の一つの場合で、一人の主人と一人の主婦と、二人の奴隷とから成り、それでいて全部合わせても二人にしかならない状態あるいは境遇。 アンブローズ・ビアス 女はどんな正直な女でも、その時心に持っている事を隠して外の事を言うのを、男ほど苦にはしない。 森鴎外 恋わずらいのひとは、或る種の病人のように、自分自身が医者になる。 苦悩の原因をなした相手から癒してもらえることはないから、結局は、その苦悩のなかに薬を見出す。 プルースト 今はただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならでいふよしもがな。 左京太夫道雅 きみたちの最愛の者を救い出すためには、喜んで倒れよ、いまおれが実例を示すように。 ゲーテ 結婚とは、男の権利を半分にして、義務を二倍にすることである。 ショーペンハウアー 女というものは、目の前を通った他の女が自分に注目したかどうかを直感的に悟る術を心得ている。というのも、女がその身を飾るのは、男に媚びるためではなく他の女たちに誇るためである。 キルケゴール 女ちうもんは気の毒なもんじゃ。女は男の気持ちになっていたわってくれるが、男は女の気持ちになってかわいがる者がめったにないけぇのう。とにかく女だけはいたわってあげなされ。かけた情は忘れるもんじゃァない。 宮本常一 女だって人間なんだ。汗もかくし、醜くもなるし、便所へも行かなければならないんだ。いったい、君は何を期待しているんだ。 ばら色の霧の中に飛んでいる金色の蝶々か。 レイモンド・チャンドラー
女の持つ愛はあらわだけれども小さい。男の持つ愛は大きいけれども遮(さえぎ)られている。 有島武郎 恋というものは何とおそろしい情熱だろうか。それなのに、世間の嘘つきどもは、恋をあたかも幸福の源泉のように言っている。 スタンダール 恋は、いつだって自分を欺(あざむ)くことから始まり、他人を欺くことで終わる。これが世間でいうロマンスというものである。 オスカー・ワイルド 結婚するのも幸せだし、結婚しないのも幸せだ。どっちにも人間としての喜びがある。 武者小路実篤 恋は決闘である。 もし右を見たり、左を見たりしていたら敗北である。 ロマン・ロラン 君が自我を放棄すればするほど、それだけ君の愛は偉大になり、真実になる。 ルードヴィヒ・フォイエルバッハ 結婚前には目を見開き、結婚してからは目を閉じていることだ。 トーマス・フラー
弦(げん)が弓に対する関係こそ女の男に対する関係だ。女は男を引き曲げるが、男に従う。女は男を惹き寄せるが、男に従いていく。 ロングフェロー 心変わりせぬことは恋愛の妄想である。 ヴォーヴナルグ 嫉妬には愛以上の自愛がある。 ラ・ロシュフコー ごく自然に、だが自然に愛せるということは、そんなにたびたびあることではなく、そしてこのことを知ることが、さう誰にでも許されてはならないのだ。 中原中也 恋ひ恋ひて逢へる時だに愛(うるは)しき言尽くしてよ長くと思はば (恋し続けてやっと会えたときくらい、愛の言葉を並べてほしい。二人の仲を末永くと思うならば) 大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ) 彼女と一緒で幸せとなるよりは、彼女のいない不幸の中でこそ幸せになれる。 キェルケゴール 結婚をして一人の人間が二人になると、一人でいた時よりも人間の品格が堕落する場合が多い。 夏目漱石 恋の灯は、時として友情の灰を残す。 アンリ・ド・レニエ 恋は目で見ずに心で見る。 だから、絵に画いたキューピットは翼をもつが盲目で、恋の神の心には分別がない。 シェイクスピア 三週間互いに研究し合い、三か月間愛し合い、三か年間喧嘩をし、三十年間我慢し合う。そして子供たちが同じことをまた始める。 イポリット・テーヌ
最上の男は独身者のなかにいるが、最上の女は既婚者のなかにいる。 ロバート・ルイス・スティーヴンソン この世を動かしているものは愛である! ルイス・キャロル 恋を早く成就するには、筆を取るより、口で言うがよい。 コデルロス・ド・ラクロ 口数の少ない男が最良の男。 シェイクスピア 真の男性は二つのものを求める。危険と遊戯である。だからかれは女性を、もっとも危険な玩具として、求める。 ニーチェ 女にとって恋愛は生涯の歴史である。男にとっては単なる挿話にすぎない。 スタール婦人 恋して恋を失ったのは、全く愛さなかったよりもましである。 アルフレッド・テニスン 嫉妬は男においては弱さであるが、女にとっては一つの強さである。 アナトール・フランス 自分は愛されている、と思っている女はいつも魅力があるものだ。 伊藤整
なんとなく好きで、その時は好きだとも言わなかった人のほうが、いつまでもなつかしいのね。忘れないのね。別れたあとってそうらしいわ。 川端康成 四十をすぎると、男は自分の習慣と結婚してしまう。 ジョージ・メレディス 女性は恋に限界がないと雄弁に主張する。男性は恋には限界があるとみている。 アンリ・ド・モンテルラン 「実は私たち、結婚できないのよ」 「なぜ?」 「だって私はブロンドじゃないし・・・・・・」 「かまわん」 「うんとタバコも吸うし・・・・・・」 「いいよ」 「サックス奏者と暮らしているし・・・・・・」 「許すよ」 「子供も産めないし・・・・・・」 「養子をもらうさ」 「わかってないのね。(かつらをとり)俺は男なんだ!」 「完全な人間なんていないよ」 映画『お熱いのがお好き』より 女子の涙は勝利の涙なり、男子の涙は降伏の涙なり。 長谷川如是閑(にょぜかん) 女房は死んだ、俺は自由だ。 シャルル・ボードレール
大抵の友情は見せかけであり、大抵の恋はおろかさでしかない。 シェイクスピア 人間は成人をすぎて結婚すべきだ。というのは、それよりも若くとも、また年取っていても考えすぎるからだ。 ジェフリー・チョーサー 典型的な紳士たるの条件は、上品な体面を保つことのほかは、すべてを自己の名誉のために犠牲にすることである。 バーナード・ショー 嫉妬は悪魔に最もふさわしい属性である。 フランシス・ベーコン 善をなさんとする者は門を叩き、愛する者は門が開放されているのを見出す。 ラビンドラナート・タゴール 幸福な結婚とは、婚約してから死ぬまで全く退屈しない長い会話のようなものである。 アンドレ・モーロア 「男女同権」とは、男の地位が女の地位まで上がったことなのです。 太宰治 人が愛したことのない・・・・・・けっして愛しそうもない人々に対しては真の憎しみはありえない。憎まれるに値しないような人に対しては極端な愛はけっして生まれない。 ポール・ヴァレリー 結婚は雪景色のようなものである。はじめはきれいだが、やがて雪どけしてぬかるみができる。 山本有三 「なぜ美人はいつもつまらぬ男と結婚するんだろう?」 「賢い男は美人と結婚しないからさ」 モーム
なつかしき春の山かな 山すそをわれは旅人(たびびと)君おもひ行く 若山牧水 人は女に生まれるのではない、女になるのだ。 シモーヌ・ド・ボーヴォワール 一人の人を愛する心は、どんな人をも憎むことができません。 ゲーテ 広く好かれれば好かれるほど、深く好かれないものだ。 スタンダール 人々は愛によって生きているが、自分に対する愛は死の始まりである。これにひきかえ、神と万人とに対する愛は生の始まりである。 トルストイ 恋愛とスキャンダルは楽しいサロンの最上の話題である。 ヘンリー・フィールディング 二つの国を作りしは二つの愛なり。地の国をつくりしは、神をさげすむほど己れ自身を愛する愛であり、天の国をつくりしは、己れ自身をさげすむほどすでに神を愛する愛なり。 アウグスティヌス 僕はよくしゃべる。退屈をしている男はよくしゃべるか、全然ものを言わないかどっちかなんだ。 レイモンド・チャンドラー
ちょっと考えると「美しく見せよう」という動機から化粧が起こったかと思われるが、実はそうでないらしい。 むしろ天然自然の肉体そのままの姿を人に見せてはいけない、そうすると何かしら不都合なことが起こるという考えがその根底にあるのではないかと疑われる。 寺田寅彦 ぼんやりしている心にこそ恋の魔力が忍び込む。 シェイクスピア 醜い女なんていない。ただ、美しく見せるすべを知らない女がいるだけだ。 ラ・ブリュイエール 夫婦の仲はあまりつづけて一緒にいると、冷めやすいし、くっついてばかりいると損なわれやすい。知らない女性はどれも愛想がよく見える。 モンテーニュ 結婚するのに精神の勇気を要するならば、別れるのにとっては猶更(なおさら)精神の勇気を有する。 島崎藤村 悪い夫を手に入れる女性は大概結婚を急ぎ過ぎた人です。よい夫を得られるならいくらか結婚が遅れてもおそ過ぎることはありません。 ダニエル・デフォー われに若年が二回、老年が二回あれば、われの過失を改められん。 エウリピデス
チャンスは泥棒をつくるような状況をつくる。
ゲーテ
〈父母の命、媒酌の言〉による旧式結婚・・・・・・のもとでは、男は永遠かつ終身の生きた財産を獲得する。彼女には値段を交渉する自由もない。
魯迅(ろじん)
世の中には喜びの形は何千何万とあるけれども、それはみな、結局のところたった一つ、愛することができるという喜びなのだと。愛することと喜び、この二つは一つ、同じものなのだ。
ミヒャエル・エンデ
僕は平和が怖い。何よりも怖い。・・・・・・地獄を隠しているような気がしてね。
マルチェロ・マストロヤンニ
彼女が最も激しく愛するのは往々にして最初の愛人であるが、女性が最も上手に愛するのは常に最後の愛人である。
アントワーヌ・フランソワ・プレヴォ・デグジル
美貌のためにある女を愛する人は、その女をいつまでも愛するだろうか?否である。というのは、その女を殺さずにその女の美貌を奪う痘瘡(とうそう)によっても、その人はその女をもはや愛さなくなるであろうから。
パスカル
新たにつかまって恋い慕ってくる男が、まだ網の中にいるうちに、かれに自分ひとりだけがあなたの部屋に入れるのだと思い込ませることだ。
オウィディウス
愛は欠けたるものの求むる心ではなく、溢るるものの包む感情である。人は愛せらるることを求めずして愛すべきである。
倉田百三(ひゃくぞう)
未亡人の愛は欠乏の苦痛であり、夫婦の愛はただ慣習だ。
イプセン
忍(しの)ぶれど色に出(いで)にけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで
平兼盛
我々が物を愛するといふのは、自己をすてて他に一致するの謂(いわれ)である。
西田幾多郎
紫草(むらさき)のにほへる妹を憎くあらば 人妻ゆゑにわれ恋ひめやも
大海人(おおあま)(天武天皇)
わが愛は火、そはすべての狂える肉を焼き尽くし、香煙のごとくに消え失せしむ。わが愛はまた洪水なり、そが濁流のうちにわが蒔(ま)きし悪しき芽生えを、すべて押し流す。
ポール・ヴェルレーヌ
言うのを忘れていたが、私はパリから童貞を持参してきたのだ。この宝を捨てるようになったのは、ミラノに到着してからのことだった。おもしろいことに、誰が相手だかはっきりおぼえていない。臆病と感覚の激しさが、記憶をまったく殺してしまったのだ。
スタンダール
花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに
小野小町
恋愛は一時の戯れではない。人生の楽しい道草でもない。感情や気分からやるべきではない。女性にとっては、大切な生活の設計でなければならない。男性が一生の専門なり職業なりを選ぶくらい真剣に相手を選ぶべきである。生活本位以外の恋愛などはやってはならない。
菊池寛
恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか
壬生忠見(みぶのただみ)
人は木石にあらず皆情あり如(し)かず傾城の色に遇わざらんには(人間は木や石とは違って感情がある、だから、心を惑わす美女になど会わない方がいい)
白居易
女性は感情動物なれば、愛するよりも愛せらるが故に愛すること多きなり。
北村透谷(とうこく)
香をかぎ得るのは、香を焚き出した瞬間に限るごとく、酒を味わうのは、酒を飲み始めた刹那にあるごとく、恋の衝動にもこういう際どい一点が、時間の上に存在しているとしか思われないのです。
夏目漱石
星は薔薇色に泣いた きみの耳の中核で
アルチュール・ランボー
几帳面な女の常として、義務をなおざりにしない一方では、その限界を超えることも差し控えたがるのである。愛の泉も、いつかは汲み尽くされる時があると思うのか、妻の慈悲心には、おのずからなる節度があった。
アンドレ・ジッド
恋愛のために出世をすべて犠牲にするのは、痛ましくも英雄的である場合もあるが、愚行であろう。だが、出世のために恋愛をすべて犠牲にすることも同じく愚行で、けっして英雄的ではない。
バートランド・ラッセル
友よ いま飲み明かそうよ 心ゆくまで
誇りある青春の日の楽しいひと夜を
若い心には 燃える恋心
やさしい瞳が 愛をささやく
またと帰らぬ日のため 盃を上げよ
ジュゼッペ・ヴェルディ
黄金、快楽あるいは名誉を愛する者は、真に人を愛せない。
エピクテトス
恋は遅くくるほど烈(はげ)しい。
オウィディウス
私は恋をしだしてから、変に死のことが気になりだしました。
恋と運命と死と、皆どこかに通じた永遠な気持ちがあるような気がする。
倉田百三(ひゃくぞう)
結婚について神の定められた法律はただ一ヶ条ある。いわく、愛!
石川啄木
結婚当座の甘い快楽も段々と薄らいで行った。半年位経った頃は一番破綻の生じやすい時だという。表には平和を装って居ても、腹ではいろいろな不平が萌(きざ)す。
田山花袋(かたい)
女は布地のようなものだ。ろうそくの光で選んじゃだめだ。
アルフォンス・ドーデ
あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながしき夜をひとりかも寝む
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
君は美貌芳齢と呼ぶこの動物は蠍(さそり)よりもはるかに恐ろしいもので、蠍は触れることを要するが、この動物は触れないでもこれを見ただけで、どんな遠くからでも何かを発射してよこし、たやすく気を狂わせるのを知らないか。
クセノポン
男子は結婚によって女子の賢を知り、女子は結婚によって男子の愚を知る。
長谷川如是閑(にょぜかん)
結婚とは、まさしく相互の誤解にもとづくものである。
オスカー・ワイルド
あかねさす紫野行き標野(しめの)行き 野守(のもり)は見ずや君が袖振る
額田王
瀬を早み岩にせかるる滝川の われても末にあはむとぞ思ふ
崇徳(すとく)院
永らへばまたこの頃やしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき
藤原清輔
人間は真に愛するものしか知りえない。
ゲーテ
まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花節の 花ある君と思ひけり
島崎藤村
まことにそもそもの初めに生れ出たのはカオス(混沌)、しかしその次に生れ出たのは常磐に揺るぎなき万物の礎になる胸広のガイア(大地)、また広き道ある大地のいと深きに住む薄暗きタルタロス(地底)、また不死なる神々のうちにてこよなく美しく手足の力を奪い、凡ての神々、凡ての人々の胸のうちなる心と賢き諫(いさ)めとを打ち負かすエロス(愛)。
ヘーシオドス
風かよふ寝覚(ねざめ)の袖の花の香に かをる枕の春の夜の夢
藤原俊成女(しゅんぜいのむすめ)
命短し恋せよ乙女。
吉井勇
わが恋はありその海の風をいたみ 頻(しき)りによする波のまもなし
藤原継蔭女(ふじわらのつぐかげのむすめ)
たいていの女は性格を全然もっていない。
ポープ
女性の運命は、その愛される量の如何(いか)に存する。
ジョージ・エリオット
叱る母もなく、怒る女房もいないけれども、家へ帰ると、叱られてしまう。人は孤独で、誰に気がねのいらない生活の中でも、決して自由ではないのである。
坂口安吾
だけど、ああ、やつぱりぼくは死ぬべき人間なのです。あなたの愛は僕には強すぎます。神さまならいつもたのしんでばかりゐられよう。けれどぼくは、変化にしたがふ人間なのです。喜びばかりが心にかかるのではなく、喜びながら苦しみにもあこがれたいのです。
リヒャルト・ワーグナー
四十歳から五十歳まで、男は心底において禁欲主義者か好色家である。
アーサー・ウィング・ピネロ
恋愛は仕事のない人々の仕事である。
モンテスキュー
夫婦生活は長い会話である。結婚生活ではほかのことはすべて変化してゆくが、一緒の時間の大部分は会話に属する。
ニーチェ
最初の熱情で女は恋人を恋するが、その後は恋を恋するのみ。
バイロン
彼女はまるで、自分が美しい女であるかのように振る舞っている。ほとんどすべてのアメリカ人女性がそうだ、みなそれゆえに、魅力的なのである。
オスカー・ワイルド
虹も十五分出ていると、もはや誰も眺める者はいない。
ゲーテ
賢人は決して、その女性観を語らず。
サミュエル・バトラー