正しいお金の使い方とは
財を1単位多く消費することで得られる喜びは、初めが最も大きく、徐々に減少していく。 ヘルマン・ハインリッヒ・ゴッセン 何と多くの人が財布の中身を考え、他人の思惑を考え、家庭を考えてつまらない人生に甘んじてしまうことか。 ヘミングウェイ 財布が空を告げた後の経済はすでに遅い。 セネカ 貰うものは、快く貰い、やる物は快くやりたい。 菊池寛 放てば満つる。 道元禅師 年寄りは若いときに貯金をしろと言うが、それは間違っている。最後の一銭まで貯めようなどと考えたらいけない。自分に投資しなさい。私は40歳になるまで、1ドルたりとも貯金したことがない。 ヘンリーフォード 倹約の道を知らないで、貧窮をがまんせず、後日の禍(わざわい)を勘定に入れず、その場の欲に任せて、分に過ぎて財を多く使うので財が不足するのである。 貝原益軒 気前が好(よ)ければ、人から好意を受ける。特に気前の好さが謙遜を伴う場合に。 ゲーテ わたしの財産の最初の使いみちは、それで暇と自由を買いとることだ。 ルソー あやふやな遠い先の希望を当てこんで全財産を犠牲にする人が数限りもなくいる一方、目先の小さな欲にひかれて来るべき大きな利得に目もくれない人びとがいる。 ラ・ロシュフコー 一文惜しみの百損。 日本のことわざ しみったれとは、出費を必要とするような公事への気前のよさを、持ちあわしていないことである。 テオプラストス 気ながく心穏やかにして、よろずに倹約を用い金を備(そな)うべし。倹約の仕方は不自由を忍ぶにあり。この世に客に来たと思えば何の苦もなし。 伊達政宗 質素であることは最も素敵なことだ。 レオナルド・ダ・ヴィンチ
毎月少しづつお金を貯めていきなさい。そうすれば年末にはびっくりすることでしょう。あまりの少なさに。 アーネスト・ハスキンズ 貯蓄は今年の作物を来年に譲る、一つの譲道である。 二宮尊徳 勤勉は福の右手。節約はその左手。 イギリスのことわざ 節約はかなりの収入なり。 エラスムス 欲しいと思うものを買うな。必要なものだけ買え。 カトー 貧しくなった者を元気付けられる唯一のものは、浪費である。 オスカー・ワイルド 節倹と吝嗇(りんしょく)と紛(まぎ)るるものなり。このあい金のかかる生活は、金がかかるにもかかわらず、大人気だ。 キャスリーン・ノリス きわめてささやかな収入でまかなえるもの以上のものは、すべて全く映像にすぎない。 ボリンブローグ 吝嗇(りんしょく)なれば、上たる人には諸人なつかず、下たる者親族・朋友むつましからずして、人倫の欠くことのみなり。 水戸光圀(みつくに) たとえ証券取引所が十年間閉鎖されることがあっても喜んで持ち続けたい銘柄だけを買いなさい。 ウォーレン・バフェット あまり勘定ずくでなされる倹約はすべて貪欲になりがちである。 ヒルティ
生活の向上だけを考えて財テクに夢中になっているのでは、人生、花開くすき間がなくなってくる。 ジェームス三木 儲けのチャンスは、だれでも多かれ少なかれ過大評価するものだし、損をするチャンスはたいていのものが過小評価するものであって、一応の健康と気力のある人なら、その損失のチャンスのほうを実際以上に評価することは、滅多にない。 アダム・スミス 金を蓄えるまで、金を使うな。 トーマス・ジェファーソン 莫大な財貨を費やさないでも、じぶんの子供たちを教育することはできるし、そうすることによって、自分の財産や身体に、堡塁(ほうるい)と保護を建て巡らすことができるのだ。 デモクリトス 何事もすき好むことを慎むがよい。好んでやまないと、道の志をうばわれ、財をついやし、ひまをついやす。 貝原益軒 金で手に入れた教育は、無教育よりもたちが悪いわけではない。 ソクラテス セントには賢く、ドルには愚か。 アメリカのことわざ 余輩(よはい)あえて守銭奴(しゅせんぬ)の行状を称誉するにあらざれども、ただ銭を用うるの法を工夫し、銭を制して銭に制されず、毫(ごう)も精神の独立を害することなからんを欲するのみ。 福沢諭吉 1ペニーの節約は1ペニーの儲け。 イギリスのことわざ 大きな支出をなすにあたって、事柄にふさわしい金額を選ぶことができる者、つまり、そのような大きな支出をなす場合にも、そういった『中』の状態を目指すことのできる人が、豪勢な人なのである。 これに対して、過大で、度はずれな支出をなす傾向の者には、名前がついていないのであるが、しかし、一部の人たちが『趣味の悪い人』とか『見栄っぱり』とか呼んでいる人たちが、これに近い人間である。 アリストテレス 節制と勤勉は人間の真の医療である。労働はその欲望を強め、節制は欲望を抑制することを教える。 ルソー
財産を三つに分けよ。三分の一を土地に、三分の一を事業に、三分の一を貯蓄にしておけ。 ユダヤのことわざ 頓馬(とんま)な人とは、およそつぎのようなものである。(中略)人が犠牲をささげ、大きな出費をしたばかりのときに、貸した金の利息を請求しにやってくる。 テオプラストス 節約なくしては誰も金持ちになれないし、節約する者で貧しいひとはいない。 サミュエル・ジョンソン 節約こそが錬金術。 中南米のことわざ 富への道はふたつの言葉にかかっている。「勤勉」と「倹約」。つまり時間もお金も無駄にせず、その両方を最大限有効に活用するということだ。 ベンジャミン・フランクリン 貧となり富となる、偶然にあらず、富も因(よっ)て来る処あり、貧も因て来る処あり、人皆貨財は富者の処に集ると思へども然らず、節約なる処と勉強する処に集るなり。 二宮尊徳 倹約はたしかに美徳ではあるが、度を過ごすとけちになり、卑(いや)しくなって、かえって正道を損なう結果になる。 洪自誠 われわれが簡素に、また賢明に暮らす気になれば、この地上で自分の身を養っていくことは苦痛であるどころか気晴らしにすぎないことを、私は信念と経験に照らして確信している。 ソロー 浪費家はサタンの兄弟。 『コーラン』より
わたしが自分の全財産を人に施しても、また、自分のからだを焼かれるために渡しても、もし愛がなければ、いっさいは無益である。 『コリント人への第一の手紙―13章』より 財産の破壊は―生きるのは財貨によるものゆえ―一種の自己破壊だと考えられるのである。 アリストテレス 節約は不必要な費用を回避する科学であり、また慎重に我々の財産を管理する技術である。 セネカ 経費とは何か。あなたの疑問点の数字的確認である。 A・A・ラティマー 安物買いの銭失い。 日本のことわざ 分からないことに自分の金を使うよりも、何もしないほうがましだ。 スージー・オルマン 贅沢していると尊大になり、倹約していると頑固(かたくな)になるが、尊大であるよりはむしろ頑固の方がよい。 孔子 出費は常に収入に見合って増える。 C・ノースコート・パーキンソン 入るを量りて出(いずる)をなす。 『礼記』より 自分の子供を経済的に援助することのなかに、ただ金を与えることは含まれない。 ジャネット・M・ウォッシュバーン 瓦を賭けて当てごと勝負をするときはうまく当たるが、(値うちのある)帯どめの金具を賭けて当てごとをするときは心がおののき、黄金を賭けて当てごとをするとなるとでたらめになってしまう。 荘周 無教育なまま育つ倹約家の子供たちというのは、剣をめがけて跳びはねる舞踏家のようなものだ。 デモクリトス けちな人びとの金庫にはかびが生え、その鍵はさびついているのがみられるはずだ。 テオプラストス すべての奢侈(しゃし)を生む二つの衝動力―野心と感覚の喜び―は、他人にこれみよがしにみせつけようとする贅沢を発展させるさいに、手をたずさえてくる。 ヴェルナー・ゾンバルト
小さな出費に気をつけろ。小さな穴は船をも沈める。 ベンジャミン・フランクリン 万金の金持ちでもその財力をまったく使わないというのでは、その財力は門番にひとしい。 韓非 貪欲とは、いやしい利得をむさぼることである。酒を売るような場合、友達にさえ、酒を水で割ってわたす。 テオプラストス 貪欲なしみったれが恐れや羞(は)じらいを持つことがあろうか?飽くなき貪欲は、名誉も、礼儀も、神の命令も考慮しない。 キリスト教における「七つの大罪」 貪欲は一切を得ようとして一切を失う。 ラ・フォンテーヌ 放蕩(ほうとう)の母は悦楽ではなくて、快楽の不在である。 ニーチェ 財布のひもをがっちりひきしめている人に対しては、愛想の示しようもない。手は手でなければ洗えない。得ようと思ったら、先(ま)ず与えよ! ゲーテ ばか者とは、鳶(とび)のように、一獲千金をねらって、二日間に突然十個所も疾走する人たちのことである。ろくに準備もせず、やたらに飛びまわったところで何ひとつ期待できるものはない。 アラン 自分の利益を諦めるほうが、自分の趣味を諦めるよりもむしろ易しい。 ラ・ロシュフコー
あらゆる近代社会で衣服につかわれる財貨の商業的価値は、その財貨が衣服をきるひとの身体をつつむために提供する機械的効果よりもずっと大きな程度で、流行の性質、すなわち、その財貨の名声を博する性質からなり立っている。衣服の必要は、明らかに、『高級な』もしくは精神的な必要である。 ソースティン・ヴェブレン 奢侈(しゃし)、贅沢とは、必需品を上まわるものにかける出費のことである。この概念は明らかに相対的だ。 ヴェルナー・ゾンバルト ぜいたくと悪趣味はかならず結びついているのだ。趣味に金がかかるばあいには、それはいつもまちがった趣味なのだ。 ルソー 分に過ぎたる価をもって馬を買うべからず。 竹中半兵衛 快楽に溺れて金使いの荒いみだらな人間と見られぬよう、また貪婪(どんらん)な金銭欲に追われて汚らしく、あるいはいやらしく生きることのないよう、よく注意すべきである。 キリスト教における「七つの美徳」 いらぬ物を買えば、いるものを売るに至る。 ベンジャミン・フランクリン 奢侈(しゃし)を欲するから利をむさぼる心が増長し、慈善の心がうすらぎ、自然に欲が深くなり、吝嗇(りんしょく)に陥り、それから知らず知らず職業も不正になって行き、災を生ずるものだ。 二宮尊徳 欲心なければたくはえるも施すも、皆道理に従ひ、をのれをも利し、人をもすくふ公用となって、万物一体の心眜(くら)からず。 中江藤樹 私は贅沢が大好きです。贅沢とは、お金を持っていることや、けばけばしく飾り立てることではなく、下品でないことをいうのです。 下品こそ、もっともみにくい言葉です。私はこれと闘う仕事をしています。 ココ・シャネル おごるは易し、おごられるは難し。 日本のことわざ 人は楽しむべきもの、その証拠には共通の運命に罰せられた二人の強欲者を思うがよい。欲深が一人をほろぼし、他方はけちで死んだ。 ラ・フォンテーヌ
財を用いないで、ただ言葉だけで人にはなしても、人を救えない。 貝原益軒 孤児にはその財産を渡してやれよ。よいものを(自分でせしめて)その代わりに悪いものをやったりしてはいけない。彼らの財産を自分の財産と一緒に使ってはいけない。 『コーラン』より 金に目もくれない人はかなりいるが、金の与え方を心得ている人はほとんどいない。 ラ・ロシュフコー ある人が実際にどんな人であるかを知りたければ、その人がお金をなくした時にどう振舞うかに注目するがよい。 ニューイングランドのことわざ 辛抱(しんぼう)する木に金がなる。 日本のことわざ おいしげる貪欲の藪(やぶ)を根こそぎにせよ。所有物を売りはらい、貧しい者にほどこし、十分な収穫を得よ。そのとき君は、天に宝をもつだろう。 アウグスティヌス 宝石や黄金で危篤(きとく)の病人ひとりを救うのと、それを売った金でおおぜいの生命を救い、病人には鶏肉を与えるのと、どっちが役にたつかねえ? エラスムス 大金を与えても、その場かぎりの喜びも得られないこともあり、ほんのわずかな恵みも、案外、一生の恩に感ずることもある。 洪自誠 金銀などを人に与える場合でも、よく判断を加えないで与えるならば、それは結局、人をそこなうものとなるであろう。 山鹿素行
極度の吝嗇(りんしょく)はほとんど常に勘違いする。これほどしばしば目的から遠ざかる情念はなく、これほど現在に強く支配されて将来を犠牲にする情念もない。 ラ・ロシュフコー 放漫なひととは、すなわち、自己の財産を破壊するという一つの悪を有するひとを意味している。 アリストテレス 吝嗇(りんしょく)とは、富にたいする節度を失った欲望であり、また愛である。 スピノザ わたしは、わたしに与えられて、そしてそれによってわたしの意志が感謝という名目で抵当に入れられてしまうようなもの以上に高くつくものは見いだすことはできない。 モンテーニュ 収入を内輪に費(つか)え。年末には、いつも何がしかの余剰を出すようにせよ。収入よりも支出を少なからしめよ。そうある限り、一生たいして困ることは断然あり得ない。 サミュエル・ジョンソン あまりの高値で買われた品物は、なおまた、たいていは、まずい使い方をされる。 品物への愛なしに、そして苦い思い出とともに使われるからだ―こうして二重の損が結果する。 ニーチェ 無駄は必要である。 ヴォルテール つねに金銭に関して心やすらかな生活を送りたいと願うならば、たとえどんなに少額でも、その収入の一定の歩合を善行の目的のために使うことから始めねばならない。 ヒルティ 妄費(もうひ)は何の用にも立たない慰みだけの費用である。 中江藤樹 倹約は、わが身に無欲で人に施し、吝嗇(りんしょく)は、わが身に欲深く人に施さない。 熊沢蕃山 人に利益を与える者は、自分の与えた利益を測(はか)り、その報いを要求する心を起こすようであれば、たとえ莫大な大金を与えたとしても、ビタ一文にも価(あた)いしないものである。 洪自誠
求道者・すぐれた人々は、跡をのこしたいという思いにとらわれないようにして施しをしなければならない。 『金剛般若経』より 「いいかい、この二頭は安全な投資とはちがうからな。でも、オッズを聞いてビクつきなさんなよ」 ヘミングウェイ 負けるたのしみだって、ギャンブルのたのしみの一つですよ。 寺山修司 ―バクチ打ちはバクチを打つものではない。 ということばが、博徒(ばくと)社会にはある。博奕(ばくち)のカスリで生活するのが博徒だと、職業博徒のあり方を指示したことばである。 青山光二 馬は走る人間に賭けたりはしないから、馬は人間より賢明である。 イギリスのことわざ みんな金を持って、金を捨てにゆく群衆が、どうしてあんなに愉快そうな顔を揃えてゆくだろうか。時にふと、あの朝の夥(おびただ)しい足並みを、ふしぎに眺めることがある。 競馬は、人間のひとつの強い欲望を、済度(さいど)するふしぎな力をもっている。 吉川英治 博奕(ばくち)というものは運を天にまかして一か八かというところに最後の意味があるのである。 坂口安悟 馬券で中(あた)るのは、人の心を中るより六(む)ずかしいじゃありませんか。 夏目漱石
古来賭博に熱中した厭世(えんせい)主義者のないことは如何(いか)に賭博の人生に酷似してゐるかを示すものである。 芥川龍之介 ばくちの、負けきわまりて、残りなく打ち入れんとせんにあひては、打つべからず。 吉田兼好 戦争は其父なり、運命は其母なり。而(しか)して博奕(ばくち)はこの父母の間に生まれた盲目の驕児(きょうじ)なり。 北村透谷 賭博は、畢竟(ひっきょう)、運命が多くの時間、特には多くの歳月をかけてやっと生み出すところの幾多の変化を、ただの一瞬のうちに引き出そうというのではあるまいか。 アナトール・フランス 競馬ファンは馬券を買わない。財布の底をはたいて自分を買っているのである。 寺山修司 勝ち馬を、それも大層な値段を払って手に入れるということは、自分自身の野生の一部を買い戻すことなのだ。 ビル・バリック